口が開かない。冗談ではなく、突然縦に1cmくらいしか開かなくなりました。困った!
痛みはないのですが、ともかく開かない。会社で食事をするときが、一番大変でした。1cmの隙間から、食べ物を押し込みました。奥歯が動かないため前歯で噛み砕くので、食べ方が不自然になり、食事に時間が掛かりました。
実をいうと、前にも口が開きにくいことがありましたが、すぐに治りましたので、様子をみることにしました。
どうしたらいいのか、対処法はあるのか、調べてみました。症状からは顎関節症のようです。
顎関節症の症状
私の場合は下記の「2.口を大きく開けることができない」ですが、その症状のほかにも様々な症状があります。
1.顎が痛む
顎を動かすと顎関節以外にも頬やこめかみなどに痛みを感じる場合は、顎関節症である可能性があります。
2.口を大きく開けることができない
動かすと痛みを感じるため、口を大きく開けられない。そうでなくても、顎関節が異常を起こしていることが原因で口を開けることができないケースもあります。口の中に指を入れてみて、縦に指3本分入らないようであれば要注意です。
3.関節雑音がする
顎を動かしたときに「カクカク」と鳴る音のことを「関節雑音」と言います。痛みや口の開けにくさといった症状はなく、音だけが鳴る場合は、治療しなくても治る可能性があります。
4.かみ合わせに違和感がある
顎関節症になると、急に「かみ合わせがおかしい」と感じることがあります。その理由は、顎の動きが変化することによってかみ合わせが悪くなるためです。今までと違ってかみ合わせがおかしいと感じたときは要注意です。
5.口をしっかりと閉じることができない
顎関節内に異常が起こると、上下の歯と歯との間にすき間ができてしまいます。そのため、口を完全に閉じることができなくなる場合もあります。
6.全身症状として現れる場合もある
顎関節症の症状はさまざまですが、顎だけでなく全身症状として現れるケースも珍しくありません。たとえば、頭痛や背中の痛み・腰痛・難聴・歯の痛み・味覚の異常・呼吸困難といった症状があります。
【注意】顎関節症ではなくほかに考えられる病気
顎関節症と同じような症状の病気はほかにもあります。たとえば、発作性神経痛や慢性関節リウマチなどは顔に痛みが生じる病気です。また、親知らずによる炎症や顎関節の骨折などが原因で口が開けにくくなることもあります。
顎関節症の原因
私の場合消去法で原因を探ると、下記「1.ブラキシズム」「3.偏咀嚼」が残ります。
1.ブラキシズム
「くいしばり」「歯ぎしり」「歯をカチカチならす」などのことをブラキシズムといい、筋肉を緊張させて顎関節に過度の負担をかけダメージを与えので、最も大きな原因と言われてます。くいしばりは肉体労働や仕事などに集中しているとき無意識におこなったり、就寝中にも起こります。歯ぎしりは音のしない歯ぎしりもあります。
2.ストレス
仕事や家庭、人間関係などのストレス、その他精神的な緊張は、筋肉を緊張させてくいしばりを起したり夜間の歯ぎしりを起したりと、ブラキシズムに影響します。
3.偏咀嚼
左右どちらか一方でばかり噛む癖を偏咀嚼といい、片側だけに多くの負担をかけることになり、発症の原因になります。
4.顎や筋肉に負担をかける癖や習慣
うつ伏せ寝、頬杖をつく癖、あごの下に電話をはさむ、猫背の姿勢などの癖や習慣が影響します。
5.悪い噛み合わせ
噛みあわせについては様々論議があり、現在では多くの原因の中の一つと考えられ、偏咀嚼やブラキシズムの原因として関連していると言われています。(不良な歯列矯正や歯科治療により噛みあわせの悪さを招くこともある)
6.その他
歯の治療などで大きく口を開けた、顎や頸部頭などを強く打って顎関節や靱帯を損傷したなどが原因として挙げられます。
治療法
1.認知行動療法
ブラキシズムや癖など顎関節症の原因となる悪習慣やその背景をさぐり本人に自覚させ、それらを取り除くようにさせます。
2.物理療法
痛みの軽減のために患部を温めたり冷やしたりします。
3.運動療法
開口や顎を動かす訓練をして口がよく開くようにします。
4.スプリント療法
スプリントという歯列を覆う装具を装着することで顎関節や筋肉への負担を軽くして歯ぎしりや食いしばりの害を緩和します。
5.薬物療法
痛みが強い場合に薬で炎症を鎮めたり、筋肉が痛みで固まっている場合に筋弛緩剤を用いたりします。また夜間の歯ぎしりや食いしばりを抑えるために入眠剤、痛みの軽減のために抗不安薬、抗うつ薬を使用する場合もあります。
6.外科療法
その他の治療で症状が改善されない場合には外科療法が行われる場合もあります。関節内に強い炎症がある場合に針をさして関節内部の物質を洗い流す「関節腔内洗浄療法」、関節内で関節円板と骨の癒着がある場合にそれをはがす「関節鏡手術」などがあります。
※咬合治療
かみ合わせが顎関節症の原因なのか結果なのか、その関係はまだわかっていないとされています。かみあわせの異常が原因となっていてそれを取り除くことにより症状の改善が見込める場合には、初期段階ではごく簡単な噛みあわせの治療を行い、治療の最後に最終的な噛みあわせの治療を行います。
顎関節症になりやすい人
①ストレスをためやすい人
②歯ぎしりをよくする人
③歯並びやかみ合わせが悪い人
④猫背の人
⑤頬づえをつくクセがある人
⑥口呼吸の習慣がある人
対処法として自宅でできること
自宅でできる治療法は、顎関節症の原因となっているであろう歯ぎしり、噛み癖などの悪い習慣を取り除き、緊張を緩和させることがメインになります。主な治療法としては、以下が挙げられます。
1.マッサージ
顎の筋肉の痛みをとるために、顎のまわりを優しくマッサージして血行を良くします。弱った筋肉をさらに痛めることのないように力加減に注意します。
2.湿布
通常は温湿布を用いますが、急性顎関節症の場合には冷湿布を使用します。ただし冷やし過ぎも血液循環を滞らせてしまうので注意が必要です。
3.姿勢矯正
猫背になっていたり、顎を突き出すような姿勢になったりしていないか、立っている時はもちろん座っている時にも気をつけましょう。長時間にわたって同じ姿勢をとり続けることのないように、時々ストレッチをして緊張をほぐすようにします。
何科を受診したらいいのか?
1.歯科
一番分かりやすいのでは歯科です。 顎は歯に関係しますので、歯科を思う方も多いでしょう。 しかし歯科は歯の専門家であって、関節の専門家ではありません。 そのため顎関節のことが分からない歯科医も多いのが現実です。 顎関節症に詳しいかどうかを尋ねる必要があります。
2.口腔外科
一般にはあまになじみがない診療科目です。 字からすると口腔(口の中)の外科(手術などをするか)のように思いますが、 範囲は結構広いです。顎や顔なども診る科です。歯だけではなく、交通事故などの外傷や顎の変形、 口腔粘膜や唾液腺なども範疇に入ります。
3.整体・カイロプラクティック・鍼・灸の治療院
一般的に整体・カイロプラクティック・鍼・灸は、肩こりや腰痛の時 行く治療院だと思いがちですが、実は顎関節症にも詳しい治療院があります。 しかし、歯科と同様、顎関節症に詳しい治療院と詳しくない治療院とがありますので、尋ねる必要があります。
4.精神科・心療内科
精神的ストレスが原因で顎関節症になることがありますので、 そのような方には精神科や心療内科もお勧めできます。 しかし、顎関節症の原因が精神的ストレス以外にもある場合は、 やはり顎関節症が詳しい歯科・口腔外科・整体など行くことが必要となります。
結局何科?
顎関節症の専門医は口腔外科で勤務していることも多いので、まずは専門医のいる口腔外科を受診し、自分の症状の原因と適切な治療法をみつけてもらうのがいいかもしれません。治療内容によっては、一般歯科や整形外科への通院となることもあります。筋肉のこりが原因であれば、治療院の施術で症状が改善することもあります。
何科に行くにしても、顎関節症に詳しいかどうかを尋ねてから受診しましょう。
何もせず治った!
結局、病院へは行きませんでした。対処法もせず、不自由な食べ方をして1か月ほどたちました。不自由で不自然な食べ方に慣れたころ、気が付いたら口が開くようになっていました。
消去法で消しましたが「ストレス」が原因だったのでしょうか?特に思いつく「ストレス」はありませんでしたが、治りました。結局原因は全くわかりませんでした。