犬の手術-乳腺腫瘍とは?費用は?入院日数は?

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ある日、愛犬を抱っこしようとしたとき、乳房に赤いものが見えました。よく見ると3㎜ぐらいの血の塊でした。鮮やか赤い塊でしたので、とても気になりましたが様子をみることにしました。

翌日の朝、右上乳房あたりの毛が血でべっとりしていました。パニック状態で、とりあえず病院と思ったのですが、なんとかかりつけの病院は定休日でした。

胸の血を拭こうと触るととても痛がりました。病院に連れて行くのを1日見送ったことをものすごく後悔しました。

翌日、早速愛犬を病院に連れて行きました。乳腺の腫瘍が破裂したそうです。膿が出てしまうようなら、とりあえず落ち着くかもしれないけど、手術をした方がいいと言われたのですることにしました。きれいに拭いてくれましたが、(また血だらけになったらどうするの?)触らずにそのままにして診せて下さいということでした。(もすごく不安!)

1週間後、手術しました。

 

第1回目の手術(2014年9月)

第1回目ということは2回目があるということで、実をいうと2回目からも時が過ぎたので思い出しながら書いています。

1.症状

右側の一番上の乳房に鮮やかな赤い血の塊 ⇒ 腫瘍の破裂

2.術前の病理検査結果

細胞を取って病理検査しました。

≪診断≫乳腺腫瘍
顕著な異型性や核分裂像はみられず、良性の乳腺腫であることが疑われますが、こうした腫瘍でも、まれながら転移がみられることもありますので、理想的には腫瘤の切除と組織学的検索の実施が望まれます。ただ少なくとも炎症性乳がんのような悪性度の非常に高い腫瘍である可能性は極めて低く、また肥満細胞腫をはじめとした他の悪性腫瘍の可能性も極めて低いものと判断されました。

3.手術内容

右側第1乳腺ランペクトミー(くりぬき手術)

4.入院期間

1泊2日。1日目の午前中に預けて、午後手術、2日目の夕方引き取りでした。

5.手術費用

78,000円(税込)

6.術後の病理検査結果

手術後に、細胞を検査しました。

①品種:パピヨン
②体重:5.4kg
③年齢:8歳
④性別:メス

≪診断≫多中心性乳腺腫・高度過形成
転移性のない良性腫瘍と判断されました。切除状態も良好ですので、切除後の心配はないものと思われます。ただ、乳腺の全体的な増殖傾向がみられますので、新たな腫瘍形成の可能性も否定しきれません。念のため時折は観察が望まれます。

7.手術後

抗生物質(5~10日)を飲み、局部を消毒(血が滲んだら程度)、局部は覆わない、1~2週間で抜糸と言われました。

手術後の傷の状態は順調でしたが、薬は約10日間、抜糸は2週間後でした。

毛が剃られて傷口が見えるときは痛々しく思いましたが、毛におおわれてすぐに気にならなくなりました。

 

第2回目の手術(2016年6月)

1年9か月後、しこり発見、また手術しました。

1.症状

右側第1乳腺(前回手術したところ)と左側第3・4・5乳腺にしこり

2.術前の病理検査結果

細胞を取って病理検査しました。

≪診断≫複合乳腺腫瘍を疑う
腫瘤は少なくとも乳腺由来の腫瘍性病変であるようです。良性・悪性の判定には、周囲への浸潤性や脈管侵襲の有無を組織学的に検討する必要がありますので、現段階での判断は危険ですが、少なくとも観察範囲内に炎症性乳がんのような強い悪性所見は得られておりません。なお、以前切除された病変の切除縁への露出はみられておりませんので、再発ではなく、周囲の残存乳腺部から新たに発生した病変であるものと考えられます。

3.手術内容

右側第1乳腺ランペクトミー(くりぬき手術)、左側乳腺全摘出

4.入院期間

4泊5日

5.手術費用

160,000円(税込)

実を言うとどのくらい費用が掛かるか前もって訊かなかったので、高くてびっくりしました。世間の相場はよく解りませんが、皮膚が弱くて9年近くずっと診ていただいてきた先生なので他の病院は検討しませんでした。

6.術後の病理検査結果

手術後に、細胞を検査しました。

①品種:パピヨン
②体重:5.15kg
③年齢:9歳
④性別:メス

≪診断≫多中心性乳腺腫・高度過形成
1回目と全く同じ内容でした。

7.手術後

手術後の傷の状態は順調でしたが、抗生物質は10日間、抜糸は3週間後でした。

左側の5つの乳房とその周りを全部摘出したため、左側の傷は縦に胸から足の付け根ぐらいまでありました。左側全体を横に縫い縮めたので、右側の取っていない乳房が真ん中に来てしまいました。それがとても悲しかったし、傷跡が痛々しくいつもどきどきしながら見ていました。

 

乳腺腫瘍とは

病理検査報告書では「多中心性乳腺腫・高度過形成」と書かれていますが、要は乳腺腫瘍のことです。

犬の腹部には5対10個の乳房が並んでいます。乳腺が腹部に5~7対あり、その乳腺に腫瘍ができた状態が乳腺腫瘍です。

乳腺腫瘍は8~10歳齢の老齢期になって発生しますが、若齢でも認められます。

腫瘍には良性と悪性の2つのタイプがありますが、一般的にガンと呼ばれるものは悪性腫瘍で、転移をする場合が多くあります。メス犬の約50%の乳腺腫瘍は良性であり、残りの50%は悪性です。

 

避妊手術をした場合の犬の乳腺腫瘍発生率

乳腺腫瘍は、メス犬にとって最も一般的な腫瘍であり、避妊手術を実施していないと発生率が高くなります。その発生率は以下の通りです。

• 初回発情前に避妊手術をした場合 0.5%
• 1回目と2回目の間に避妊手術をした場合 8%
• 2回目の発情後に避妊手術をした場合 26%
• 2.5歳以上で避妊手術をした場合、予防効果なし

避妊手術をしなかったのですが、避妊手術をしていたら防げたのでしょうか?

 

手術方法の選択

手術方法は以下の4つがあります。

1.しこりだけを取る。
2.しこりの周りの乳腺もとる。
3.乳腺は右側上3つ、右側下2つ、左側上3つ、左側下2つがそれぞれ繋がっているので、しこりがある場所に繋がっている乳腺はすべてとる。
4.片側の乳腺をすべてをとる。

第1回目の手術方法

2.しこりの周りの乳腺もとる」を選びました。しこりは1つだったので、3.と4.のまだ何もできていないところを切除するという決断はできませんでした。

第2回目の手術方法

右側は「2.しこりの周りの乳腺もとる」1回目の手術と同じで、左側は「4.片側の乳腺をすべてをとる」を選びました。

 

現在の状態

1年が経とうとしています。避妊手術をしていたら防げたのだろうか、あの手術方法で良かったのだろうかなどと考えますが、毛が生えて傷は隠れてわからなくなり、今は元気満々です。

愛犬の避妊手術、乳腺腫瘍手術を考える人の参考になれば幸いです。