私の場合、眉の上の筋肉を何とかしようとマッサージを始めたとき、新しい化粧品やサプリメントを使い始めたときなど、必ず吹き出物ができたり、下痢になったりします。
そんなとき、『品質があまりよくなかった。』『私の体には合わなかった。』『体調がたまたま悪かった。』『これが「好転反応」かな。』と思ったり、なぜか違いがでてきます。たぶん、そのことを信じているかどうかの度合によって、考えに違いがでるのではないかと思います。
高価な商品の場合は効果があるはずだと思う、或いは思いたいわけで「好転反応」と表現されていれば、自然とそのように考える可能性は強いと感じます。マッサージなどはもともと面倒なので、悪化するのに続ける理由はないので、副作用とは考えても「好転反応」とはあまり考えないかもしれません。
「好転反応」という言葉を知って調べてみると、『そんなものは存在しない、ウソだ。』と書いてあるものもありました。
「好転反応」とは
好転反応(こうてんはんのう)とは、もともとは東洋医学(按摩や鍼)で使われる用語で、治療の過程で一時的に起こる身体反応のこと。反応の程度はさまざまである。
東洋医学における好転反応
漢方、鍼では瞑眩反応と呼ばれる。治療過程において頻繁に起きることなので、事前に説明がされることが多い。慢性的に疲労していた筋肉がほぐれ、溜まっていた老廃物が血液中に流れること等が要因として考えられる。だるさや眠気、ほてり等を感じるケースが多い。眠気が生じると不眠症が治ったと勘違いしてしまうことがある。他、発熱、下痢、発疹、咳などに現れることもある。また、老廃物が尿として排出されるため、その色が濃くなったりする。その他にも、主訴となる症状が一過的にぶり返したかのように見える場合もある。
漢方薬の厳密な定義に従うと、瞑眩が発生するのは多くあり、症状が現れた後、長くても1〜3日で収まる。漢方では患者の体質(証)を判断してから調剤を行う。(好転反応-ウィキペデイアより)
「好転反応」という言葉は、元々東洋(漢方)医学で使われる用語で、科学的根拠はなく日本医学会監修の医学用語辞典には掲載されていません。
「好転反応」に関する消費者庁のガイドライン
以下、消費者庁News Release(平成28年4月20日)からの抜粋です。
食品として販売に供する物に関して行う健康保持増進効果等に関する虚偽誇大広告等の禁止及び広告等適正化のための監視指導等に関する指針(ガイドライン)に係る留意事項
〇「好転反応」に関する表現により、健康保持増進効果等を表示している場合
表示例 | 考え方 |
○○を食べると、3日目位に湿疹が見られる場合がありますが、これは体内の古い毒素などが分解され、一時的に現れるものです。これは体質改善の効果の現れです!そのまま召し上がり続けてください。 | 湿疹、便秘等の不快症状が出ても、それを「好転反応」等と称して効果の証と説明しているものがある。 体質改善やダイエット等の効果につき、強い効果や即効性等を求める国民の中には、こうした「好転反応」等の不快症状が出ることをもって、当該食品には強い効果や即効性等があることを認識する者があることは、残念ながら否定できない。こうした「好転反応」等の表示をもって健康の保持増進効果を表示する場合であっても、例示における「体質改善の効果」が認められない場合は虚偽表示又は誇大表示に該当することが懸念される。 ※ 「好転反応」に関する表示は、医薬品的な効能効果の標ぼうに該当するもであり、医薬品医療機器等法上の取締の対象となる。そもそも、このような表現は、適切な診療機会を失わせる等の保健衛生上の危害が発生するおそれが強く、断じて認め得ないものである。 |
「好転反応」はウソ?
消費者庁のガイドライン
ガイドラインを読むと、「好転反応」はウソという内容はどこにも書いてありません。
「好転反応」だといって続けさせて効果が認められないときは、虚偽・誇大表示に該当する可能性があると示唆しています。効果があれば問題なしということです。
また、「好転反応」という表現があることによって、不快症状があるにも関わらず適切な診療を受ける機会を失い、健康上の危害が発生する危険があるので、「好転反応」という表現は認められないと言っています。
体調不良や副作用を「好転反応」だと判断させる危険性を示唆しているだけで、「好転反応」はウソという内容はありませんでした。
東洋(漢方)医学
東洋(漢方)医学は少なくとも二千年以上の臨床経験に基づいた医学です。数えきれないくらい多くの人々に対して漢方薬が試され、安全で効果があるとされた漢方薬が現在まで残り、使用されています。東洋(漢方)医学は膨大な量の経験に基づく医学です。
科学的根拠はなく日本医学会監修の医学用語辞典には掲載されていないからといって、東洋(漢方)医学で使われている「好転反応」はウソとは言えないと思います。
「好転反応」を乗り越えて
眉の上の筋肉をマッサージしたとき、吹き出物ができたので、間違った方法であると考え、一旦諦めました。しかし、やはりマッサージが一番効果があるとしか思えませんでした。そこで『慢性的に疲労していた筋肉がほぐれ、溜まっていた老廃物が血液中に流れることによる「好転反応」』と考え、マッサージを再開しました。一旦筋肉がほぐれると、血流がよくなり老廃物が溜まるにくくなるせいか、吹き出物は出来にくくなりました。
サプリメントの飲み始めも下痢になったりしますが、飲み続けていても下痢がずっと続くことはありませんでした。
しかし、それが自分に合わないものなのか、商品そのものの質の悪さによるものなのか、「好転反応」なのかの判断は大変難しいことも確かです。
私の場合、「好転反応」らしきものを乗り越えて、効果があったと感じたことも少なくありませんので、「好転反応」を否定することはできません。