『何万円もする超高級クリームよりも、医療用医薬品『ヒルドイド』の方が美容効果がある。』という記事を読んだことがあり、気になっていました。
しかし、
保湿効果があるヒルドイドは、医師が必要だと判断した場合のみ処方される医療用医薬品なので、美容目的で健康保険を使ってヒルドイドを処方してもらうのは「違法」です。
ヒルドイドソフト軟膏0.3%とは

体調不良のせいなのか、歳のせいなのか、全身に乾燥からくる痒みや粉ふきが起こり、皮膚科でヒルドイドを処方されました。
顔はときどき痒くなる程度ですが、目に入らないようにして(保湿のため)顔に塗っていいと言われました。(酷くなった場合は、他の薬が処方されます。)
ヒルドイドの作用と効果について
皮膚の保湿作用があり、皮膚の乾燥性症状を軽くします。また使用部位の血行を促進し、血行障害に基づく痛みや腫れを軽くします。通常、凍瘡、瘢痕・ケロイド、指掌角皮症、皮脂欠乏症などの治療に用いられます。
ヒルドイドの副作用
主な副作用として、皮膚炎、かゆみ、発赤、発疹、潮紅、皮膚刺激感、紫斑などが報告されています。
美容目的で健康保険を使うのは違法行為
美容目的で皮膚科を受診し、健康保険を使ってヒルドイドを処方してもらうのは「違法」です。
美容目的での健康保険の使用が疑われるケースが急増しています。
大手企業の健康保険組合で作る「健康保険組合連合会」(健保連)が2017年9月に公表した報告書で、こうした実態を指摘し、ほかの外皮用薬やアレルギーの治療で使われる「抗ヒスタミン薬」と一緒に処方されていない場合は「保険適用から除外する」などと提言。この提言内容が実現した場合、年間93億円の薬剤費の削減が見込めるという推計を公表しました。
ヒルドイドを美容目的で使うことは違法行為ですが、健康保険の無駄遣いが大きな問題になっています。
一方、日本皮膚科学会は2017年10月31日「保湿剤による治療を必要とする患者に大きな不利益を生じかねない」として、処方制限に反対すると決めました。処方制限が認められると、治療目的でヒルドイドを使っているアトピー性皮膚炎の患者たちは、保険適用外による自己負担の増加を強いられることになります。
しかし、厚生労働省は2018年1月26日治療目的以外の使用は保険の対象外であることを周知徹底するとともに、処方制限などの規制は見送ることを決めました。
美容目的で使いたい人は市販薬を!
ヒルドイドの主成分は「ヘパリン類似物質」と呼ばれているもので、肌への強い保湿力のほか、血行促進、抗炎症作用などの効果があり、アトピーや火傷の際に肌の乾燥治療で使用される薬です。
薬局やドラッグストアで販売されているヘパリン類似物質が配合された市販薬を検討しましょう。
同じ成分の市販薬(有効成分:ヘパリン類似物質)
• HPクリーム(グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)
• ピアソンHPクリーム(新新薬品工業)
ヘパリン類似物質(ヒルドイド)の美容効果は?
確かに保湿力は高いようですが、化粧品と違って美容成分は入ってないので、アンチエイジング効果は期待できないと思います。
ヒルドイドによって乾燥を防ぎ、肌の調子が良くなったことは確かです。しかし、体調が戻ったらしく、使用しなくなっても良くも悪くも何ら変化ありませんでした。
たぶん、トラブル肌の原因が保湿不足である人は、肌の調子がいいということを含め肌の改善を感じる、そして保湿不足でない人は美容効果を感じないということだと思います。
つまり、ここでいう美容効果は保湿効果による改善以上のものではないということです。(しみ、しわは保湿によって多少は改善します。)
美容目的としては、何もヒルドイドを使う必要はなく、他のアンチエイジングコスメを購入した方がいいという感想でした。